テレビや雑誌などさまざまなメディアで発信を続ける国際政治学者の三浦瑠麗氏。なかでも政治や文化について一段深い議論を展開するのがプレジデント社の公式メールマガジン「三浦瑠麗の『自分で考えるための政治の話』」(毎週水曜日配信)だ。同メールマガジンから抜粋・再編集した記事をお届けする。
アメリカ大統領選挙2020
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2016年の米大統領選で何が起きていたのか

久保文明・金成隆一著『アメリカ大統領選』(岩波新書)は、大統領選投票直前に出版された新書だ。本書を読めば大統領選の仕組みがわかり、長い歴史をコンパクトに学べるようになっている。ただ、本書の価値はもちろんそれだけではない。2016年の米大統領選の間に起きていたことを、選挙取材とその後の追跡取材のかたちでしっかりと指摘していることだ。16年に何が起きたかを本質的に理解していなければ、20年を理解することは難しい。

20年の大統領選は、16年とほぼ同じ構図だった。まず、いずれも共和党の大統領候補としてトランプ氏が出馬している。そして、ヒラリー・クリントン氏はワシントン政治のインサイダーとみなされたが、バイデン氏は8年間副大統領を務めた白人高齢男性。いわばエスタブリッシュメントだ。

今回バイデン氏が辛くも激戦州の大半を制して勝利したのは、都市部やマイノリティの高い支持に加えて、社会的に保守的な白人労働者をある程度奪い返せたからだろう。だが、米国では4年前と変わらず党派間に強い敵意が存在しており、いや増すばかりだ。

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言うまでもないことですが、政治は私たちの暮らしに密接です。その一方、選挙のたびに政局に振り回され、結局は「無党派層」を自認し、政治に距離を感じている人も多いはず。本メルマガでは、三浦さんの本分である国際政治学者としての知見をもとに、混迷する政局と日本社会を取り巻く状況を読み解くための情報をお届けします。また、話題となっている政治ニュースを取り上げ、その裏にある背景を、メルマガ読者だけにお伝えしてまいります。