細かいことが気になりすぎて、仕事が進まない。そんなときはどうすればいいのか。精神科医の西脇俊二氏は「すべてが大事に思えて優先順位がつけられない人は、すべての段取りを書き出すところから始めるといい」と説く——。
※本稿は、西脇俊二『繊細な人が快適に暮らすための習慣』(KADOKAWA)を再編集したものです。
繊細な感性の持ち主ほど「段取り」が苦手
繊細だったり敏感だったり、「細かいことが気になる」性質の人からの相談が今、増えています。「仕事や家事がはかどらない」「わかっていても細かいことが気になって中断し、結局のびのびになってしまう」といった内容です。
精神科医をしている私自身も、そうした性質の持ち主ですから、悩む人の気持ちがよくわかります。本稿では、私が実践して効果の上がった方法を紹介します。
こうした悩みを改善するには、優先順位力が必要です。
敏感な人は日常生活において、さまざまな迷路に入り込みます。たとえば、仕事で企画書を書くとき。「まず骨子を決めたほうがいいのはわかっているのに、文字のフォントや置き方のデザインを工夫してしまう」といったケース。
家でも、来客の前に「玄関がキレイかどうかチェックしなきゃ」と思いながら、絶対に見られるはずのないキッチンの壁の油ハネを一生懸命拭いてしまったりします。
優先順位が頭ではわかっていても、その通りに行動できません。
これらの原因は「完璧主義」です。タスクを構成するすべての部分が大事に見えて、細部まで手をかけずにいられないのです。
しかし、完璧主義は、必ずしも「完璧に仕上がる」ことにはつながりません。細部に凝りすぎて肝心な部分が抜けた、時間がかかって期限を守れなかった、などの失敗も起こりえます。