イライラしている人と接するのは苦痛だ。それでも避けられない場合、どう接するのがいいのか。精神科医の西脇俊二氏は「『自分に落ち度があったのか』と考えるのではなく、相手の側に原因があると想像することは効果的だ。相手を分析することで、感情を抑えやすくなる」と説く――。
※本稿は、西脇俊二『繊細な人が快適に暮らすための習慣』(KADOKAWA)を再編集したものです。
相手がイライラしているのを「自分のせいだ」と思わない
イライラした相手に接するときは、自分のことを考えるのではなく、相手のことを想像しましょう。「自分がまた何かやらかしたのだろうか」と思うのではなく、「この人、何かストレスを抱えているんだろうな」と考えます。自分ではなく、相手の側の原因を考えるのは、自責グセのある人に特に効果的です。
「彼女は忙しい時期になると、いつも当たり散らすなあ」
「彼はライバルの○○さんが最近好調だから、ピリピリしているのだ」
など、相手の状況から推理するのも良い方法です。
ただし、想像はしても思いやりは無用です。「気の毒だな」「なのに私、フォローできなくて……」などと思い始めたら、自責スイッチが入ってしまいます。
「この人の側の事情なのだ」→「だから私が悪いのではない」
という思考回路を育てることに専念しましょう。
とはいえ、激しく怒る人に対しては、そんな余裕も吹き飛びがちです。叱られる・怒られる・強い感情をぶつけられる経験は、人の感情に敏感な方々ならもっとも苦手とするところです。強い言葉にショックを受け、自分の落ち度を心の中で100倍くらいに拡大し、パニックになりがちです。