ムダ作業をする自分に胸を張ってOKを出す
しかし、これは本当にムダなのでしょうか。心細やかな人は、ムダ作業を行うとき、同時にそれを気にします。「私、不必要なことをしてますよね、時間かかってますよね、ごめんなさい」と、心の中で誰かに謝っています。
これは「時間のムダ」という実際面以上に、大きなデメリットです。気にしてクヨクヨすることこそが、繊細な人々にとってもっとも強いストレスになるからです。
ならば、いっそ胸を張ってムダ作業をしたほうが得策です。
「改行の位置がキレイだと気持ちがいい」「文書だって見た目が大切!」という立派な理由があるのですから、きちんと意義はあります。
ちなみに私にはしばしば手を洗うクセがありますが、「手を洗うとサッパリする」という理由があるので、特段おかしいとも、なおすべきだとも思いません。「気持ちがスッキリ落ち着く」というプラスの感覚のほうに目を向けて、自分にOKを出しましょう。
「必要なムダ」にかかる時間を織り込もう
「それじゃ、時間削減ができないのでは?」という心配はいりません。
クヨクヨと気にする「ムダなストレス」を削減する効果は意外に大きなものです。とくに繊細な人、敏感な人はこのストレスにかなりの時間を食われています。
「自分はまた余計なことをして……」などと考えず、それも含めて自分の仕事と捉えられれば、頭も手もスムーズに動くようになるので、結果的に仕事のスピードも上がります。
計画を立てるときは、そのこだわりにかかる時間も含めて考えればいいだけです。
上司を務める人にとっては、こうした繊細なタイプ、些細な点にこだわってはかどらないタイプの人が部下にいると、つい「そんなところはどうでもいいから、早くしろ」と言ってしまいたくなるかもしれません。
しかし、それをグッとこらえて「作業する前に手順をできるだけ細かく書き出すこと」、「こだわりたいところにこだわるのは構わないから、それにかかる時間を織り込んで計画を立てること」をアドバイスしてみるといいと思います。