新型コロナは業界大手2社にも大きな被害を与えた

電機業界では、これまで人員整理・赤字部門の撤退などを推し進め、ようやく実を結び始めた頃、新型コロナウイルスが猛威をふるい始めました。

新型コロナは3年連続過去最高益を更新しているソニー、赤字部門の見直しを行いこれからの飛躍が期待されているパナソニックなど業界大手2社にも大きな被害を与えました。

海外依存の生産体制が抱える構造的問題を解決できるか。
海外依存の生産体制が抱える構造的問題を解決できるか。(時事通信フォト=写真)

この2社は“事業を海外に依存していた”という共通点があります。

ソニーはゲーム、映画などエンタメ事業、そして最高益の立役者となるほど好調な半導体事業など多岐にわたる事業を展開していますが、今回の新型コロナウイルスの拡大で、外出自粛による巣ごもり需要があったゲーム事業以外は大きな痛手を負いました。

ソニーの最大の特徴である映画事業は新型コロナが原因となり、メイン市場であるアメリカ、欧州の都市がロックダウンしたため、映画館が閉鎖され作品が上映できず、制作中の作品も中断という、非常に厳しい状態に立たされています。これに対して吉田憲一郎社長は、「今後、リモートを推進する」といったコメントを出しており、リモート撮影による作品の制作や、動画配信サービスを使った作品公開に切り替わっていくことが予測されます。

スマートフォンのカメラ向けデバイスとして圧倒的シェアを誇る「CMOSイメージセンサー」は顧客であるアップルのアッセンブラー(組立組織)である鴻海ホンハイの中国工場の稼働が一時停止したことで、供給が減少しました。