コロナで注目はデータセンター需要

半導体は、コンシューマー(消費者)に直接販売するような商品ではありません。家電製品や自動車などに使われる電子部品なので、半導体業界の動向は、それらの売れ行きにどうしても左右されることになります。

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写真=iStock.com/Andy
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そういう意味では、新型コロナウイルス拡大の影響によって世界経済全体が地盤沈下し、電子機器の販売が低迷する現状では、半導体業界も当然ネガティブな影響を受けることになります。

半導体が使われることの多いスマートフォンやテレビ、自動車も緊急事態宣言期間は、もちろん商品によって違いはあるものの、軒並み40~50%程度落ち込みました。2020年6月に入って少しずつ回復基調には入っていますが、年間では19年比10~20%程度はダウンすると見ています。

PCに関しては、在宅ワーク、学校のオンライン授業などの対応のため短期的には売り上げが上がっています。ただし、これがずっと続くかといえば、そうともいえないでしょう。経済情勢がさらに悪化し、失業率なども高まれば、働きたくとも働けず、PCなどの機器を買う経済的余裕などないという人も多く出てくるからです。

そんな中、例外的に需要が盛り上がっているのが、「データセンター」です。テレワークの導入拡大やデータの保存、Netflixなどの動画視聴でアクセス機会が飛躍的に増え、通信量拡大への対応が求められています。