コロナ禍でも大ダメージはなし

近年の携帯電話業界で大きなターニングポイントとなったのは、2019年10月に施行された電気通信事業法の改正でしょう。これにより変わったポイントは大きく2つあります。

創造的な背景、都市の背景に5Gホログラムを用いた携帯電話を持っている男性の手。5G高速モバイル インターネット、ネットワーク、新世代ネットワークの概念。
写真=iStock.com/MARHARYTA MARKO
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まず1つ目は、「端末代金と通信料金の分離」です。これによりNTTドコモの「月々サポート」、KDDI(au)の「毎月割」のように、通信料金から端末代金の一部を割引することで、実質的な端末の値下げを行っていた施策が提供不可となりました。

2つ目は、短期解約時の違約金に大きな制限が設けられました。いわゆる「2年縛り」の抑止といえばわかりやすいでしょうか。

これによって総務省は、事業者間の競争を活性化させたい意図があったようですが、必ずしもプラスに作用することばかりではありませんでした。

端末代金と通信料金が分離されたことで、エンドユーザーは一切の割引なしで端末を購入する必要があるため、ハイエンドモデルなどの売れ行きは落ち込みを見せ、代わりに手ごろな価格で手に入るミドルレンジの機種が売れるようになりました。

そして20年に入ると、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、キャリアショップや家電量販店で休業・短縮営業が増え、さらに端末の販売は冷え込むこととなりました。また感染拡大防止のため、今までショップでしかできない手続きをオンライン化したことで、営業機会も減少しました。