人は「お得感」を何で感じているのでしょうか。イタリアンファミリーレストランのサイゼリヤは、7月1日からメニューの税込価格の末尾を、端数のない「00円」か「50円」に統一しました。これによって、人気の「ミラノ風ドリア」(税込・299円)が(税込・300円)の1円値上げになるわけですが、この1円の値上げは消費者から「お得感」を奪う値段なのでしょうか。

1円の値上げはむしろ企業努力

昨年の消費増税で、外食の消費税率は10%に上がったにもかかわらず、増税前のまま据え置いたサイゼリヤが、今回は新たな値上げに踏み切ったのです。日頃からサイゼリヤには「お得感」を感じている人が多く、今回の1円の値上げに対しても、むしろ好感度の高い意見が多いです。

インターネットなどや私の周辺からは以下のような声が上がっています。

「値上げを1円だけにとどめるのすごい」
「むしろライスなどは値下げしていることが衝撃」
「元々安いサイゼリヤでの1円の値上がりは気にならない。むしろ努力してるなと感じる」

サイゼリヤは端数がない価格設定で1円、5円、10円硬貨の使用を減らし、接触機会を減らして「新しい生活様式」に対応するとしています。

一方で、前述の声にもあったように、値下げしているメニューがあることにも驚きます。

半熟卵のほうれん草ソテーは268円から250円、ライスは169円から150円に値下げされています。金持ちであろうが、所得が低かろうが、人は圧倒的に安いモノに対して文句を言わない傾向があるように感じます。サイゼリヤの場合はそれに加えて「おいしい」ことからファンが多いのです。