コロナ影響は一律飲食業に直撃しているわけではない
世界的なパンデミックにまで発展している新型コロナウイルスの影響で、飲食業の売り上げ減少が連日報道されています。2020年3月21日に日本商工会議所が公表した「新型コロナウイルス感染拡大に伴う中小・小規模事業者への影響および政府への要望」によると、20年3月の動向では、景況感を示す業況判断指数DIが全産業でマイナス49.0ポイント(前年同月マイナス16.9ポイント)、飲食業が含まれるサービス業ではマイナス55.8ポイント(前年同月マイナス11.7ポイント)という結果となっています。この水準は東日本大震災時のマイナス51.4ポイント以来のものとなっており、過去最大の悪化幅となっています。
しかし、筆者の知人が経営するミシュランのフレンチレストランや会員制バーなどは3月末時点では影響がなく毎月増収増益を継続中であるという。片や、居酒屋チェーン店の経営者からは、売り上げが激減、融資についての相談が増えています。
このことから、今回の危機において、すべての飲食店が一律で業績が悪化しているというわけではなく、高級レストラン、カジュアルレストラン、居酒屋、ファストフードなどの業態によって売上影響に違いが出ていると考えられます。また、同じ飲食業でもコスト構造の違いから、売り上げ減少がどれだけ利益や資金繰りに影響しているかも異なっています。