ビュッフェスタイルは避けるべき

新型コロナウイルスに対する不安が広がっています。世界的な大流行(パンデミック)になれば話は別ですが、今のような警戒態勢が続くとして、外食やテイクアウトをまったく使わない生活は現代人には無理でしょう。現実問題として3月以降、食の問題をどう乗り切るのかは難しいテーマです。

アメリカのライドシェアリング企業Uberが開始したフードデリバリー、Uber EATS(ウーバーイーツ)のリュックを背負い、自転車で配達する人は東京でも見かける
写真=Sipa USA/時事通信フォト
アメリカのライドシェアリング企業Uberが開始したフードデリバリー、Uber EATS(ウーバーイーツ)のリュックを背負い、自転車で配達する人は東京でも見かける

3月1日、厚生労働省は「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」という文書を公表しました。そこには、小規模な患者の集団(クラスター)が次の集団を生み出すことの防止が重要だとあります。

また一人の感染者が複数人に感染させた事例として、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘などがあげられています。集団感染の共通点は「換気が悪く」「人が密に集まって過ごすような空間」「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」です。

厚労省は2月26日、全国的なスポーツイベント、文化イベントなどについては2週間は中止、延期または規模縮小などの対応を要請しています。しかし、「じゃあ満員電車はなぜ規制しないのか」といった疑問には答えていません。おなじ観点で、飲食店に2時間ほど滞在することの是非にも答えていません。それはそうでしょう。実際の線引きは難しく、グレーゾーンを厳しくすれば外食もコンビニもみんな危険だということになってしまいます。

現実的に新型コロナウイルスの収束まで、外食産業が厳しい経営環境に陥るのは仕方ありません。本稿ではその前提で、私の外食産業についての知識と新型コロナウイルスについて国が公表している情報をもとに、外食チェーンの現状と今後の対応を考えてみたいと思います。