日本での感染者数は中国に次ぐ多さに

中国湖北省武漢で発生した新型肺炎(新型コロナウイルス)の影響が世界に広がっている。本稿を執筆した2月6日時点で、中国では2万8018人が感染し、死亡者数は560人を超えている。

写真=AFP/時事通信フォト
2020年2月2日、人がまばらな北京市内の地下鉄でマスクを着ける乗客(中国・北京)

昨年12月からヒトからヒトへの感染が起こり、感染者はアジア各国のみならず、アメリカ、ヨーロッパなど27カ国・地域で確認されている。当初、静観を決めていた世界保健機関(WHO)も1月30日、ついに「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するに至った。

日本でも45人の感染が確認されており、中国に次ぐ多さとなった。仮に感染流行期に入った場合、5月ごろにピークを迎えるという観測もある。これを受けて鉄道業界でも対策本部を設置する動きが広まっており、駅員にマスクの着用を指示するとともに、乗客向けに消毒液を設置したり、咳エチケットの呼びかけを強化していく方針という。

狭い空間に多くの人が乗車する鉄道は、感染拡大の大きな要因になるといわれている。今後、感染が広がった場合、鉄道車内における感染予防は重要な課題になる。鉄道各社はどこまで対策ができるのか、また乗客はどのような自衛手段を取ることができるのだろうか。