新型コロナの感染が世界的に拡大して4カ月弱。世界経済の退潮が強く懸念される中でも、がっぽりと「儲けている人」はやはりいるのである。
3月以降、米国の富裕層の資産は62兆円増えた
「もし世界が100人の村だったら」という例え話が一時話題となった。「100人の中の6人が世界中の富の59%を所有し、そのいずれもが米国人」という一文に、驚きや羨望、諦めを感じた者も少なくないだろう。世界が平等なら……という願望が産んだこのたとえ話だが、残念ながらその後も状態は変わっていない。というより、その差はますます拡大している。
米国のシンクタンク、政策研究所(Institute for Policy Studies)が6月4日に発表したリポート“billionaire bonanza(億万長者の幸運)2020”によると、前週に190万人以上の米国人が失業、3月18日以降には4260万人の失業者が出た一方、同じ3月18日から6月4日までの11週間、約3カ月弱の間に、その米国の富裕層の資産は19.15%、5560億ドル(約62兆円)増え、3兆5000億ドル(約385兆円)に達したという。新型コロナの感染拡大で窒息しかねない世界経済の在りようなどどこ吹く風である。