約600万人の「休職者」が、「失業者」にかわるとき
新型コロナウイルスによる雇い止め、解雇が止まらない。6月4日の厚生労働省の発表では、その数は2万人超(見込含む)。「思ったより少ない」と感じる間もなく、その背後に大量の「休職者」が控えている事実を知って愕然とする。
4月の休職者は過去最多の597万人。この「休職」を文字通り「少し仕事を休んでいる」と考えることができないのがつらいところだ。多くの企業が自粛期間中の一時的措置として、従業員を〈解雇〉ではなく〈休職〉扱いにしてきた努力がそこにはあり、その体力が今後いつまで持つかは不明だからだ。世界的に「休職者」=「潜在的失業者」の見方は強まりつつあり、多くの「休職者」を抱える日・欧・米では不安が広がっている。
「仕事をクビになったら、パートでもバイトでも働けばいい」と楽観的に考えられないのも、今回の不況の特徴である。5月のアルバイトの求人広告件数は、前年比の半分、3月初旬と比べても半減している。アミューズメント、イベント、アパレル、製造、美容、飲食、物流、販売接客と、ほぼあらゆる職種において求人を差し控えている状態だ。