古き良き時代の人は居心地が悪い
今、営業担当者が取引先の「キーマン」に会わぬまま活動するケースが増えています。かつては担当者に繋いでもらって、あるいは頑張ってその上の部課長や社長に直接会いに行っていました。でも今は、担当者に提案した後は先方の社内で進めてもらうのが普通。最終的にその担当者を通じて、「今回は見送りになりました」などと結論が返ってきます。具体的なことは現場に権限移譲されていて、基本的に下から上がってきたものを上が決めているのです。
ですから担当者に「部課長に会いたい」「社長に会いたい」と言っても、「それは現場に任されている」。さらに食い下がっても、「目的は何ですか?」「現場同士で決めて」と言われるのがオチ。それでもやり続けていたら、「あそこは担当を飛ばして仕事をする会社」と見なされ、出入り禁止にされてしまいます。
ですから、営業担当が直接会うのは、現場の担当者。まずそこを念頭に置く必要があります。ある意味、先方の社内の決まった仕組みにインプットしていくわけで、その担当者が異動しても状況は変わりません。大学のサークルの先輩・後輩とかあまり本質的でないところで上と繋がれた時代とは違います。いたずらに上のキーマンに接触しようとすると、信用されていないと思った目の前の担当者との関係は最悪になります。この唯一の糸口との関係が悪化しては、元も子もなくなるのですが、そういうパターンがすごく多いんです。