ますます寒くなる負のスパイラル
今冬は暖冬傾向と言われながらも寒い日本列島。北風に吹かれて「寒い寒い」と言っていると、余計に寒くなる、そう実感する人もいるでしょう。「『寒い』と言うから寒くなる」、この理論は果たして本当なのでしょうか。
まず前提として「状況」と「解釈」は異なると認識してください。例えば「晴れているけれど、空気が冷え込んだ冬の休日」という状況があるとします。寒いという状況は変わらない中、「今日は寒いですね」「いいお天気ですね」と言うのとでは、発言者の解釈が異なります。解釈は人間の思考・感情・行動に深く結びつきます。
「今日は寒いですね」は「嫌」な感情を引き起こし、「出かけようと思っていたけどやめよう」といった行動に結びつきます。一方、「いいお天気ですね」は「心地いい」感情を引き起こし、「ジョギングでもしようか」といったポジティブな行動に結びつきます。
つまり「『寒い』と言うから寒くなる」とはその通り。「寒い」と認識すると寒く感じるだけではなく、さらにネガティブな行動に結びついてしまうのです。