かつて育児・家事は「妻にお任せ」という世帯が多かった。そのツケが回ってきたようだ。ある調査によれば、50代の総合職では男性は女性よりも「核となるスキル」が乏しく、手持ちのスキルも現在の仕事で活かせていない。一方、子育てを終えた女性たちは、「思い切り働くぞ」とモチベーションを高めているという——。
家事・育児のワンオペを担ってきた50代女性の逆襲が始まった
男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年のことでした。
この法律により、企業は、募集・採用、さらに配置・昇進・福利厚生、定年・退職・解雇にあたり、性別を理由にした差別の禁止などが定められました。
それにより男女別の仕事内容の差をなくしていくために、総合職・一般職といったコース別雇用管理制度を設ける会社が増え始めましたが、一般職の多くは女性が占めるなど、性別で偏りが生じる企業は少なくありませんでした。
また、せっかく総合職で採用されても、適した部署へ異動される機会などが男性より少なかったというケースは珍しくありません。50代の女性たちは、どのようなキャリアをたどってきたのでしょうか。
そこで今回は、公益財団法人21世紀職業財団に協力をいただき、前回(「バブル世代の男と女「働く意識」の顕著すぎる差」)に引き続き50代女性の働き方の現状や今までのキャリアについて述べます。