先人の失敗こそ貴重な教材
さて、バブル崩壊の後、生き残った企業と、残念な結果に至った企業との差はどれほどあったのでしょうか。私は「紙一重」だったと思います。自分が当時の拓銀や山一や千代田生命の経営者と同じ立場にいたら、冷静に正しい判断ができただろうか。そう考えると、同じ過ちをしてしまう可能性を否定できないのです。
かつての倒産事例を知る目的は、失敗の犯人捜しをすることではありません。当時の状況をたどり、そこに自分の身を置いてみて、自分ならどうするだろうと考えてみる。先人の失敗は時代を越えた貴重な教材なのです。