失敗して怒られたときほどビジネスチャンス

成功しているビジネスマンは皆、「失敗して怒られたときほどビジネスチャンスがある」といいます。取引先からクレームが来たときに、誠実に謝って対応すると、大抵相手は「怒りすぎてまずかったな」という気持ちになる。そこから仲良くなり、その後大きな契約に結びついたというケースは数多くあるのです。

佐々木常夫 著●著者が、甥の「遼君」(仮名)に向けて、これまで培ってきた社会人として幸せに働き、生きるために求められるエッセンスを説いた1冊。(WAVE出版)

こうした事実をしっかりと理解したうえで仕事に取り組めば、自分がクレームの矢面に立ったときに、「自分ばかり怒られて、上司は逃げてずるい」とグチをこぼすのではなく、「これをうまくチャンスに変えて相手との距離を近づけて、上司を出し抜いてやろう」と前向きに捉えることができるでしょう。

またこの本には、「1週間で営業先50社の販売状況をリポートせよ」という上司の指示に対して、どう仕事を進めるかという話も出てきます。上司が何を考えているのか配慮できない人は、完璧な資料を仕上げて期限の5分前に出そうとします。そして、万が一出来上がらなければ、締め切りギリギリになって不完全な資料を提出する羽目になります。

一方、上司の思いに配慮できる人は、途中で上司の判断を仰ぎます。例えば、30社は集められたが、残りの20社はよくわからないという場合、その状況を上司に報告します。それを聞いて上司が「雑でもいいから50社集めろ」というのか「その30社をもっと深掘りしろ」というのか、その判断によってその後の作業が変わってくるからです。こうした調整を繰り返して期限に到達したとき、上司にとって満足度の高いリポートを提出することができるのです。

この本に書かれている内容は、基本的なことばかりですが、それらを実行できれば、周囲の評価は確実に高まり、グチや不満が出る頻度は劇的に低くなるはずです。

▼上司が逃げたときほどチャンス

(構成=増田忠英)
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