外資系企業ではどんな人材が出世するのか。AIGジャパンで広報担当役員を務める林原麻里子さん(49歳)は、これまでの人生で3回の大きな転機があった。その激動の半生を振り返る――。(後編/全2回)
撮影=堀 隆弘
外資系損保AIGジャパンの執行役員・林原麻里子さん

AIGジャパン・ホールディングス(以下、AIGジャパン)で執行役員兼広報部長として活躍中の林原麻里子さん(49歳)には、これまでの人生で3回の大きな転機があった。

1回目は小学生時代にいたインドネシアから日本に帰国したときに受けたイジメや家出の経験。2回目は日本の大学を中退後、中国やアメリカの大学を卒業し、香港でようやく記者職を見つけたものの極貧生活を送らざるをえなかったこと。これらは前編で触れた。

そして3回目は、記者職から「広報」に転身したときだった。1回目と2回目は、「絶対にこの状況から抜け出してやる!」という強い反骨心から勉強に励み、自ら次のステージを獲得した。では、3回目はどう乗り越えたのか。

記者職では取材先で怒られ、広報職では電話越しに怒鳴られる

香港での過酷な記者生活から抜け出すべく、日本国内にある外資系のメディアに履歴書を何通も送り自分を売り込んだ林原さんだが、先方からはなしのつぶて。ほとんど諦めていたが、1年後に「空きが出たから」と予想外の電話を受け、運よくロイター通信社の東京支局に採用された。

いよいよ華々しいジャーナリスト生活の幕開けだ、と胸を躍らせ入社するが、そこでは数々の試練が待ち受けていたという。