Q. 上司と折り合いがつかない

上司とウマが合うことはない

若手社員向けの研修で「上司の立場で考えましょう」と教えることがあります。これは、指示した上司の意図を汲んで業務を進めるという意味ですが、実は簡単なことではありません。

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第一に、上司と部下では組織のなかで見えている景色が違います。一般的には上司のほうが重いミッションを与えられ、社内の重要な情報にアクセスでき、多くの社内リソースを使えます。この違いを想像力で埋めるのは至難の業です。

ただし、手がかりがないわけではありません。私がおすすめするのは“上司の疑似体験”です。例えば、残業や休日出勤で職場にいるのが自分1人というときに、上司のデスクに座ってみてください。そこから職場全体を見渡してみる。上司のポジションになったつもりで、その責任や重圧をイメージする。職場の風景が違って見えるはずです。

次に、上司の人間関係を紙に書き出す。上司が中間管理職なら、さらに上司がいる。あなたたち部下がいる。他部署には利害が対立する相手がいる。昇進を競うライバルもいる。もちろん、会社を出れば、家族がいて、友人や仲間がいる。あなたが知らないところは想像で埋めていいでしょう。上司を中心とした相関図を描くのです。