上司の話し方やしぐさを真似してみる

さらに上司の話し方やしぐさを真似してみるのも1つです。部下への態度、会議中の態度、怒っているときや笑っているときを真似る。ここまでやれば「上司の立場で考える」ことが少しできるようになります。

このように疑似体験をすると、上司の話が以前とは違って聞こえるはずです。さらに、より深く理解するために自分から上司に問いかける。

エドガー・H・シャイン 著/金井壽宏 監訳/原賀真紀子 訳●よい人間関係を築くために「問いかける」ことの大切さを教えてくれる。特に「謙虚に問いかける」ことの鮮やかな効果と人間心理の奥深さに気づくことができるだろう。(英治出版)

「あの上司に質問するのはちょっと……」という方にはいい参考書があります。

ご紹介する『問いかける技術』は、人間関係において「謙虚に問いかける」ことがどれだけ大切かを教えてくれます。上司を声をからして説得するより、1つの問いかけが相手の態度を変えることもあるのです。上司を疑似体験して、謙虚に問いかける。ただし、上司のデスクに座るときは、誰にも見られないようにくれぐれもご注意ください(笑)。

最後にもう1つおすすめしたいことがあります。それは、上司と同じポジションになった自分を想像すること。つまり、未来のあなた自身です。

上司への不満が多い人ほど、自分がマネジャーになると同じことをやりがちです。「あの人は話を聞いてくれない」と陰口を叩いていた人が、実際に自分が上司になると部下の話を聞かない。そして、「あのとき上司が何を考えていたか、この立場になってわかった」としたり顔で言います。これはシミュレーション能力の欠如で、ポジションを利用した卑怯な人だと周りの人には映ってしまいます。

自分が正しいと思うことは、相手が上司だろうと伝えつづける。周りの人たちはずっと見ていますから、「あの人は一貫している」と信頼されます。ウマが合わない上司から学ぶことはたくさんあるのです。

▼こっそり上司の席に座ってみる

(構成=Top communication)
【関連記事】
ダメな上司ほど「やっぱりな」と言う理由
「エース社員が辞める」残念な会社の特徴
"採用面接の5分間"でボロが出る人の特徴
会社トイレで搾乳した外資系役員の"成功双六"
台風でも出社時間を死守させる日本人の異常さ