「やっぱり」が口癖の方は要注意! 本人は悪気無く発した言葉が、周囲をイラつかせるのはよくあること。とくに上司が部下につい言ってしまいがちな言葉について、なぜ言いたくなってしまうのか、行動経済学の視点から読み解きます。
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なぜか頭にくる上司の言葉3つ

組織で働くビジネスウーマンにとって、仕事で受けるストレスには実に様々なものがあります。中でもストレスの最たるものの一つが、会社の人間関係、それも上司との関係です。一生懸命考えた企画案をろくに読みもしないで否定されたり、最初から重箱の隅をつつくような問題点ばかりあげつらったり、さらに本人は無意識でしょうが、明らかに女性蔑視の発言をしたりと、本当に頭にくることは考えたらきりがありません。

特に嫌な気分になるのは、上司が“頭にくることば”を発する場合です。中でも何かうまくいかなかった時のセリフには、とてもムカつく場合が多いように思います。これにはいくつかのパターンがあります。

1.「なぜこんな簡単なことがわからなかったんだ!」
(あなたはわかっていたのですか?)
2.「俺は知らない、聞いてない」
(いえ、ちゃんと報告しましたよ)
3.「多分こうなると思っていたんだよ!」
(だったら事前にそう言ってくださいよ!)

言い訳には2パターンある

いずれもカッコの中は、それを言われた時に感じる気持ちを表していますが、これらの言葉は、恐らくあなたも言われた経験があるものばかりのはずです。いずれにも共通するのは、何かが起こった後で、しかもそれがうまくいかない結果に終わった時に発する言葉だということです。別な言葉で言い換えれば「後講釈による言い訳」なのです。

でももう少し詳しく見てみると、これらの言い訳や後講釈は二つのパターンに分かれます。直接、間接を問わず「自分は関知していない、それは部下がやったことだ」と言って逃げるタイプ、前述の例で言えば2が典型的な例です。そういう意味では、1のパターンも責任を転嫁しようとする意図が見え見えです。

こういう逃げるタイプの上司はどうしようもありません。言わばそういうのにたまたま当たってしまったことを不運だと思い、彼が(彼女が)転勤するか、自分が異動するのを待つしかないでしょう。転勤のない会社なら、さっさと転職した方が良いかもしれません。

問題は3番目のタイプです。これは自分も予測できなかったにもかかわらず、あたかも最初から知っていたと言わんばかりに後講釈で言い訳するタイプです。ところが前者のタチの悪い“逃げる上司”と違って、これには悪意はないのです。それどころか、あなたもひょっとしたら知らず知らずのうちにこういうことを言ってしまっているかもしれません。