法事の香典はいくら包めばいいのか。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳氏は「昨年亡くなった女優の樹木希林さんは祝儀も不祝儀も一律3000円と決めていたそうです。香典の場合、地方では3000~5000円、首都圏では1万円が一般的。都市部では世間体を気にした上乗せが生じやすいようです」という——。
樹木希林さん「祝儀・不祝儀は3000円と決めています」
彼岸入り前の9月15日は、女優の樹木希林さん(享年75歳)の一周忌だった。公に一周忌法要は実施されていないようだが、テレビや雑誌が特集を組むなど、樹木さんの存在感はいまだ健在だ。
彼女の語録を収めた本も売れ続けている。『一切なりゆき』(文春新書)は今年6月に120万部そこそこだったが、一周忌のタイミングで150万部を突破した。本書の読者の多くはシニアの女性だという。編集部に話を聞くと、「病気や夫との関係など、さまざまな逆境を自然体で受け止め、肯定的に明るく生きた点が支持されているようです」。
その樹木さんの生前の言葉で、興味深いフレーズがあったので紹介しよう。
「祝儀・不祝儀は3000円と決めています」
生前、樹木さんは結婚式や葬式に呼ばれた際、「袋の中身」は誰であっても、3000円に決めていたという。樹木さんからすれば、「世間体を気にして、いちいちご祝儀や香典の中身に苦心するのはバカバカしい、だったら一律3000円にすればいいじゃないか」という意図らしい。実に樹木さんらしい立ち振る舞いだ。