新任の環境大臣として国際会議デビューを果たした小泉進次郎氏。しかし「発言するだけ」でよかったこれまでとは異なり、組織を率い政策実現を求められる立場になったことで風当たりも強まっている。同じ38歳で「実行力」を求められる地位に就いた経験を持つ橋下徹氏が、経験者ならではのアドバイスを送る。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(9月24日配信)から抜粋記事をお届けします。
写真=時事通信フォト
ニューヨークの国連本部で開かれた都市の脱炭素化に関するイベントで演説する小泉進次郎環境相(右)=2019年9月22日撮影

政治行政のプロたちはかなり厳しく評価している

小泉進次郎環境大臣がニューヨークの環境イベントに出席した。相変わらず発信力が凄い。メディアは小泉さんの一挙手一投足を報じている。

今回は、「気候変動問題はセクシーに」という発言が世間を賑わせている。

これまでの国会議員という立場は発言すればそれでよかった立場だったが、これからは具体的な政策実行力が厳しく見られていく。政治行政のプロたちは、かなり厳しく小泉さんを評価しており、僕もそのうちの一人だ。

(略)

自分のカラーにこだわり過ぎると、安倍官邸、政府の方針を逸脱するリスクもあるし、現実の諸制度との整合性がとれなくなり、社会を混乱に招くリスクも生じる。旧民主党政権がそのような事態に陥った。

(略)

官僚・行政の力に乗っかりながら、官僚・行政にはできない、つまり政治家小泉進次郎にしかできないことを断行する。

それをやるためには、官僚との徹底した議論を通じて、政治家にしかできないことを見つけ出していくのである。