国連での発言やその後の記者会見に関し、小泉進次郎環境大臣へ批判の声が続いている。どこでボタンの掛け違いが起きたのか。橋下徹氏が鋭く分析する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(10月1日配信)から抜粋記事をお届けします。
写真=時事通信フォト
福島県の内堀雅雄知事と会談後、取材を受ける小泉進次郎環境相(右から2人目)=2019年9月12日、福島県庁

リーダーの2つのタイプ

小泉進次郎環境大臣の言動については常に賛否が沸き起こっている。それだけ注目されている証だ。注目されていなければ話題にすら上らない。いちいち批判されることは、小泉さんにとっては面倒くさくて、鬱陶しいだろうが、それだけの立場になった以上、このようなことは一生続く。我慢ばかりは精神衛生上よくない。小泉さんは憂さ晴らしのためにも、たまには激しく反撃をしたらいいと思う。

さて、早速批判だが、小泉さんのこれまでの言動は、リーダーがやってはいけないことを、お手本のようにやってくれている。ゆえにリーダーシップ論においては、小泉さんは完全な反面教師になっている。今後改めるべきところは改めて、日本の若手政治家に刺激を与えるリーダーシップを発揮してもらいたい。

リーダーには、誰もが好む言葉を発し、誰からも批判を受けない言葉を発し続けて、しかし自分では実行しない(できない)リーダーと、批判を受けながらでも実行していくリーダーの2つのタイプがある。

リーダーがリーダーシップを発揮しなくても物事がうまくいく右肩上がりの状況では、前者のリーダーでよい。皆が機嫌よくやってくれる環境を作るのがリーダーの仕事となる。高度成長時代の政治リーダーなどはこのタイプでよかった。

しかし、リーダーがリーダーシップを発揮しなければならないときには、後者のリーダーが必要だ。課題が山積し、組織のメンバーでは解決できない困難な状況の時には、批判を一身に浴びながら課題解決に取り組むリーダーが必要となる。今の時代は、このタイプのリーダーが求められている。

(略)