震災後の日本は気候変動問題をリードできない
実行プランを意識しなければ、現実離れした夢物語しか語れない。現実を知らない学者やコメンテーターはこの類だ。しかし日本に山積する課題を解決してもらわなければならないこれからの日本の政治家は、それだと困る。
そして、日本の環境政策、特に日本の気候変動問題への取り組みは、非常に厳しい環境にあるのであるが、このことを小泉さんは十分に認識せずに、いつもの風格を付けた調子でメッセージを発した嫌いがある。
結論から言えば、日本は気候変動問題への取り組みについては、今のままでは世界をリードすることなどできない。だから、世界から、特に気候変動問題への取り組みに神経質になっているヨーロッパからは厳しい目を向けられている。そのことを小泉さんは、どれだけ認識していたのであろうか?
日本が気候変動問題の取り組みで世界をリードできないのは、小泉さんがよく口にする「東日本大震災」が原因だ。
東日本大震災時に福島原発が大変大きな事故を起こした。その結果、日本においては原子力発電を推進できない状況になり、可能な限り原発を少なくしていく方向性になっている。
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そうであれば、当然、火力発電を使わざるを得なくなり、二酸化炭素の排出量は多くなる。
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このような客観的な状況の中、仮に日本が気候変動問題の取り組みで世界をリードしようと思えば、まずは原発の推進と火力発電所の削減を大胆に打ち出すしかない。
東日本大震災後の日本において、小泉さんにそれができるのか。
小泉さんは、「福島の皆さんに寄り添う」ということを言ってしまっているが、それでも原発の推進を言えるのか。
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