「お友達内閣」を通り越して「側用人内閣」
安倍晋三首相が9月11日、自民党役員人事を刷新し、内閣を改造した。閣僚のうち同じポストで留任したのは麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官だけ。新婚でもある小泉進次郎氏の入閣という話題もあり、フレッシュな顔触れとも言える。
しかしよく見ると、安倍氏の威を借る側近たちが、ずらり並んだ。もはや「お友達内閣」を通り越して「側用人内閣」の様相だ。小泉氏の入閣も、それをカモフラージュするためのサプライズ演出だったといえる。
初組閣の時から側近重用の方針は変わらない
2006年、初めて首相になった時、安倍氏は塩崎恭久氏、菅氏、甘利明氏ら盟友を主要閣僚に配置して「お友達内閣」と皮肉られた。
お友達閣僚たちは、安倍氏同様、経験不足を露呈。失言や失敗を繰り返した。最終的には翌年の参院選で敗れ、安倍氏が体調を崩したことで第1次安倍内閣は1年で崩壊するのだが、お友達たちの拙さも、安倍氏の早期退陣の遠因となったのは間違いない。
2012年、安倍氏は首相に返り咲いた。第1次政権の反省を踏まえ、政権運営は老練になったが、人事で親しい人物を重用する傾向は変わらない。