ストレスを抱える人々を救う「魔法の力」

「ストレスに負けない心を作る」「メンタルを強くする」――書店に行けば、心理学のコーナーだけではなく、ビジネス書売り場にも、そんな惹句の本がずらりと並んでいる。しかし、ストレスや悩みの原因・対策を説いてはいても、結論が理想論だったり、実践するのが難しいメソッドだったりして、「机上の空論」にすぎない本が多いのも現実だ。

「十人十色の悩みがある中で、無責任に『あなたの悩みは解決できる』とする本にはしたくなかったので、ストレス低減に有効な考え方をできるだけ容易に、日常的な話題や例題を交えてまとめました」

そう語るのは、ストレス・マネジメント研究者の舟木彩乃氏。著書『「首尾一貫感覚」で心を強くする』は、もともとは自身も経験して痛感した「議員秘書のストレス」について155人を対象とした調査結果を中心にまとめる予定だったという。

しかし、舟木氏の研究を知った編集者が、そこで活用されていた「首尾一貫感覚」こそがストレスを抱える人々を救う「魔法の力」になると聞き、まずはこの考え方をわかりやすく解説する本を目指すことになった。

「議員秘書は全仕事の中でも最もストレスが高い仕事」だということは、本書にも例示される元衆議院議員の「このハゲー!」騒動からも想像に難くない。では、どうすれば辛い環境でも前向きに生きられるか。