「辺野古移設」反対の意思は明白だ
普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設の賛否を問う沖縄県民投票が2月24日、投開票された。その結果、「反対」は71.7%、「賛成」は18.9%、「どちらでもない」は8.7%だった。
法的な拘束力はないが、反対票が投票資格者総数の4分の1を超えたことから、県民投票条例の規定により、玉城デニー知事は安倍晋三首相とトランプ米大統領に結果を通知する。
反対票を投じた県民の数は、投票資格者総数の過半数に達していなかった。投票率も52.48%と低かった。この点を捉え、辺野古移設を容認する自民党県連からは「県民の総意ではない」との批判の声が出ている。
しかしながら投票率の低さの一因は自民党にもある。自主投票の形をとって静観し、投票を積極的に呼びかけなかったからだ。県民投票の盛り上がりを回避して投票率を下げるという戦術だが、民主主義を無視する姑息な手口だ。この点については2月17日掲載の「沖縄県民投票をスルーする自民党の姑息さ」で指摘しているので、ここでは繰り返さない。
「70%超」に戸惑う安倍首相の言葉
一方、安倍首相は投開票翌日の25日朝、首相官邸で記者団に対し、「世界で最も危険な普天間基地が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならない。日米合意から20年以上、普天間の返還が実現していない。もうこれ以上、先送りできない」とこれまでの主張を繰り返した。
その一方で、「これまでも長年にわたって県民の皆様と対話を重ねてきたが、これからも対話を進めていきたい。ただ単に、辺野古に新たな基地を作るのではなく、移設をするためということを理解していただきたい」と沖縄県民の理解を得る努力を重ねていく考えも示した。
さすがに反対票が70%を超えたことに戸惑ったのだろう。この日の国会答弁でも同じことを述べていた。辺野古移設反対派の圧勝に、決まり文句しか出てこなくなったのかもしれない。