「3択」ではなく「2択」でやるべきだった

沖縄・名護市辺野古への米軍基地移設の賛否を問う沖縄県民投票が2月14日に告示された。投開票は24日の日曜日だ。

投票は「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択となっている。

当初は賛成と反対の2択だった。沖縄市など5市の市長が「2択だと、多様で複雑な民意はすくえない」などと不参加を表明。5市が参加しないと、沖縄県民の3割が投票できなくなるため、沖縄県議会の知事与党会派が「どちらでもない」を追加した。

しかし沙鴎一歩は県民の3割が投票できなくとも、そのまま投票をすべきだったと思う。

なぜなら7割の民意が得られれば、県民の意向を問うには十分であるし、そもそも「どちらでもない」と考える県民はその選択肢がなければ棄権するはずだからだ。「どちらでもない」の選択肢は無用なのだ。

米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非を問う県民投票が告示され、キャンプ・シュワブ前で新基地建設に抗議する人たち=2月14日、沖縄県名護市(写真=時事通信フォト)

「どちらでもない」はその解釈で混乱する

「どちらでもない」の解釈をめぐって、「賛成の意味合いが強い」「いや反対だ」と論争が起き、余計に混乱する危険性がある。

実際、2001年5月に行われた、東京電力柏崎刈羽原発のプルサーマル計画の賛否を求めた新潟県刈羽村の住民投票では、賛成、反対に加えて「保留」という選択肢が追加された。そのため投票前から賛成派は「保留は村長に任せるという意味だ」、反対派は「いや計画の中止だ」と激しい議論が巻き起こった。

投票の結果は、賛成が投票総数の43%、反対が53%で、保留が4%だった。幸いなことに賛成に保留の4%を加えても反対が賛成を超えないことから、投票前の論争は自然消滅したという。

沖縄県民投票条例は3択のうち、最も多いものが投票資格者全体の4分の1に達すれば、沖縄県知事はその結果を尊重し、首相と米大統領に通知するよう定めている。

どんな投票結果になろうが、その結果をベースに今後の辺野古移設問題を考えていく必要がある。