文科省と大阪府は「スマホ解禁」に方針転換

いま、スマートフォンの学校への持ち込みが大きな議論になっている。

昨年6月の大阪府北部地震をきっかけに大阪府が持ち込み解禁の方針を打ち出し、4月から解禁に踏み切る。大阪府教育庁が2月18日に公表した指針では、有害情報の閲覧を防ぐためフィルタリングの設定を保護者に求めている。

大阪府以外の一部自治体でも、解禁するためのルール作りの検討を始めるなど解禁に向けた動きが活発化してきた。

文部科学省は10年前、小中学校へ携帯電話やスマホを持ち込むことを原則禁止とする通知を出しているが、柴山昌彦文科相は2月19日の閣議後記者会見で、通知の見直す考えを明らかにした。

閣議後に記者会見する柴山昌彦文部科学相=2月8日、国会内(写真=時事通信フォト)

一方、新聞はどこも「スマホ解禁」に否定的である。その理由はいくつかある。学力や視力の低下、歩きスマホでの事故、盗難や破損、持てる子と持てない子の格差、友達同士のトラブル……。要するに「子供の成長を害する」という否定的な意見が多い。

禁止を続けても、隠れて使うだけだ

しかしながら沙鴎一歩は、「スマホ解禁」には大賛成である。持ち込みを禁じるほうが、間違っている。

いまや小学生や中学生の半数以上が、スマホを持つ時代だ。膨大な情報から必要な正しい情報を抜き出して活用する能力が求められる。持ち込み禁止は時代に逆行する。このまま禁止を続ければ、子供たちはスマホの正しい使い方を知らないまま、育つ危険性がある。スマホを隠して学校に持っていき、隠れて使うことにもなる。いやもうすでにそうした事態は起きている。

それゆえスマホを解禁し、小学生のうちから正しい使い方を学校で指導すべきだ。鉄は熱いうちに打てという。歩きスマホやスマホ依存といった危険性や、ルールに従って使うことの重要性について、子供のときに教え込むことが大切だ。

大人になってからでは遅い。駅のホームや路上で「歩きスマホ」をしている人はたくさんいる。なぜだろうか。大人に注意を呼びかけても、「自分は大丈夫だ」という意識が先に働くからだろう。ここは子供を信頼し、学校で使用させてみてはどうだろうか。