秋篠宮家の長女・眞子さまの結婚問題はいまだ決着がつかない。コラムニストの矢部万紀子さんは「今、皇室が抱えている悩みは、いつ誰が抱えてもおかしくない悩みだ。平成は“普通に”生きようとする皇室の構成員がもがき苦しむ姿を見せた時代だった。国民には“らしさ”を理解し、納得することが求められている」と分析する――。

※本稿は、矢部万紀子『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

2018年12月27日、天皇、皇后両陛下への年末のあいさつのため、皇居に入られる秋篠宮家の長女眞子さま、次女佳子さま(写真=時事通信フォト)

皇室ウォッチャーが勝手な妄想を話す背景

ユヅと佳子さまが、結婚するしかないと思う。

そう言ったのは、私の信頼する皇室ウォッチャーだ。豊富な皇室報道の経験を踏まえ、独自の視点で皇室をとらえる。だから彼女の指摘は、いつも示唆に富んでいる。

言うまでもなく、ユヅとは羽生結弦さんだ。ソチ、平昌と冬季オリンピック二大会連続で金メダルを獲得したフィギュアスケート選手。

そして。

佳子さまがフィギュアスケーターなことは、つとに有名だ。

水色のコスチュームで可愛らしく滑る幼い佳子さまをご記憶の方も多いと思うが、実は佳子さまは、学習院初等科2年生のときに自らの意思で始められて以来、長くフィギュアをお続けになっていた。数々の大会でも大変な成績を残している。20歳を迎えるにあたって臨まれた記者会見で、「高校の終わりまでフィギュアスケートを続けておりました」と明かされている。

だから、結婚するしかない。そう、彼女は力説する。

佳子さまのことなら明るく楽しく考えられる

ユヅ、1994年12月7日生まれ。佳子さま、同じ年の12月29日生まれ。こんなにお誕生日が近いのも、きっと何かの運命だ、と。しかもユヅは国民栄誉賞を史上最年少で受賞したとき、記念品を辞退したのを知っているか、と。

2018年7月の表彰式では「みなさまとともに取れた賞という気持ちがあり、僕個人の気持ちを出したくないなと。そういった意味で記念品は辞退させていただいた」と説明した。仙台藩ゆかりの「仙台平」の羽織はかま姿で表彰式に臨み、受賞の挨拶では東日本大震災に触れ「被災地の方々の力になれば」と語っている。

あの日のユヅを見ていれば、「皇室」とどんなに相性のよい人かは火を見るよりも明らか。だから二人はうまくいく。そう語る彼女の気持ちは、よくわかった。ユヅと佳子さまがうまくいくかどうかより、そういう話をしていたい気持ちがよくわかった。

皇室のことを考えていると、どうも重たい気持ちになってくる。その点、佳子さまのことは明るく楽しく考えられる。だからつい、「ユヅと」などと勝手な妄想までしたくなってくる……。