安倍首相が「数の力」に驕っているのは明らか

産経や読売とは反対のスタンスを取るのが朝日新聞の社説である。2月25日付の朝日社説の見出しは「沖縄県民投票 結果に真摯に向きあえ」だ。

朝日社説は「辺野古問題がここまでこじれた原因は、有無を言わさぬ現政権の強硬姿勢がある」と指摘したうえで主張する。

「最近も、埋め立て承認を撤回した知事の判断を脱法的な手法で無効化し、土砂の投入に踏みきった。建設予定海域に想定外の軟弱地盤が広がることを把握しながらそれを隠し続け、今も工期や費用について確たる見通しをもたないまま『辺野古が唯一の解決策』と唱える」
「自分たちの行いを正当化するために持ちだすのが、『外交・安全保障は国の専権事項』という決まり文句だ。たしかに国の存在や判断抜きに外交・安保を語ることはできない。だからといって、ひとつの県に過重な負担を強い、異議申し立てを封殺していいはずがない」

安倍政権の強硬姿勢はどこから来るのか。数の力に驕っているのは明らかだ。安倍首相は「対話を進めていきたい」と語った。それは口先だけだ。沖縄の民意が「反対」を支持したにもかかわらず、辺野古の埋め立てを続行している。一体、いつ対話をするつもりなのか。もう嘘をつくのはやめてもらいたい。

明白な民意を無視し続ける姿勢は、民主主義の危機

朝日社説は「自分たちのまちで、同じような問題が持ちあがり、政府が同じような振る舞いをしたら、自分はどうするか。そんな視点で辺野古問題を考えてみるのも、ひとつの方法だろう」とも書く。

その通りだが、もはや「ひとつの方法だろう」などではなく、私たち国民ひとり一人が自分の問題として考えなければ、辺野古移設を含めた沖縄の米軍基地問題は解決していかない。

朝日新聞は翌26日付紙面にも「これが民主主義の国か」との見出しを付けた社説を掲載し、次のように指摘している。

「日米合意や安全保障上の必要性を強調し、明白な民意を無視し続ける姿勢は、日本の民主主義を危機に陥れている」

民主主義とは何か。沖縄の県民投票の結果が投げかける重要な問いである。

(写真=時事通信フォト)
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