※本稿は、「プレジデント」(2018年11月12日号)の掲載記事を再編集したものです
1年半の世界一周でわかったこと
「定年退職したら夫婦でクルージング」など、壮大な旅行計画を立てる男性が多いそうです。現役時代に妻を放っておいた反動からかもしれませんが、それは夫婦で話し合って決めたことでしょうか。お互いの価値観が一致していればよいですが、そうでなければせっかくのクルージングも喜んでもらえないかもしれません。気ままな一人旅も同様で、お互いの価値観がそれで一致しているなら1人で好きな所へ行けばよいと思います。それぞれ行きたい所へ行った後、どこかで合流するのもよいでしょう。
2013年1月から約1年半かけて、私は妻と2人で世界一周旅行をしました。それ以前は2人で共働きしていたのですが、冬休みにタイのピピ島へ旅行したとき、思いのほか長旅をしている夫婦をたくさん見かけました。
自分も長い旅行をしたいと思い、世界一周の予算を調べるとひとり180万円程度で行けることがわかりました。貯金が500万円あったので頑張れば行けそうです。しかしすでに30代に入っていたので、これをマンション購入の頭金にするか世界一周資金にするかで悩み、思い切って妻に相談したところ「この先ずっと東京に住むかもわからないし、子供が出来たら長い旅行はできなくなるね」と賛成してくれました。
妻が機嫌よく、自分も楽しく旅行するのに大切なのは旅行のどこに共通の価値を置くかを2人でよく話し合うことだと思います。私たちは美味しいお酒と食事に目がなくて、ボロボロの宿に泊まってもその地でしか食べられない美味しいものがあれば値段が張っても食べると決めていました。
スケジューリングも大切です。旅行中は時間がありそうでなく、予定を詰め込みすぎると自分たちがしんどくなります。旅行先で何をするのか、自分たちの価値観で絞ったほうがよいのです。