老後に困らないベストな選択肢はなにか。各分野のプロフェッショナルに「より賢い選択肢」を聞いた。第2回は「一攫千金 vs 手堅く利殖 どんな手法がお勧めか?」――。(全11回)
※本稿は、「プレジデント」(2018年11月12日号)の掲載記事を再編集したものです
老後資金づくりは損得だけで考えない
人生100年時代。長生きは資産面から考えるとリスクともいえます。将来設計にしても、今は退職金をもらってから考えるのでは遅く、50代から取り組むべきです。そこでベースになる考え方は、「生涯にわたって得られる収入を増やす」ということです。
退職金は早く投資に回さなければと焦るのではなく、1年くらいは「退職金専用定期預金」に全額を預けて頭を冷やすといいでしょう。しかも金利はメガバンクでは0.5%程度、地銀では1%の例もあるなど、通常の定期預金より高めの設定。その間に運用先や老後のプランを考えればいいのです。
老後の生活を支える基盤は公的年金になります。いつかは底をつく金融資産などに比べて、一生涯続く「終身年金」のため、この金額が多ければ「長生きリスク」に対応しやすいのです。
それだけでは生活費が足らないという場合、次の準備として考えたいのが「トンチン年金」です。これは、解約時や死亡時の払戻金を抑えることで、長生きするほど得するタイプの個人年金保険です。
たとえば日本生命のトンチン年金「グランエイジ」では、50~70歳まで月額5万790円の保険料(20年間で総額1219万円)を払い込むと、70歳から年60万円(月5万円)の年金を一生涯受け取れます。