
「婚活沼」にハマりやすい女性の共通点
婚活沼にハマってしまう理由は人によってさまざま。今回は、子どもの頃から長年「私はブサイク」「こんな私が男性に愛されるはずがない」と思い込んできた女性の例を紹介する。
※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
E美さんは39歳の研究職の女性。「婚活のメソッドに本当に効果があるのか実践してみたい」と私の開催する婚活セミナーに参加してくれた。ところが、よく話を聞いてみるとE見さんには現在おつき合いをしている男性がいるというではないか。
「つき合っている人がいる状態で婚活を始める」というのは、婚活がうまくいかない典型的なケース。
つき合っている相手と結婚できない、あるいは結婚を考えられないなら、まずその関係を清算するのが先。つき合っている人がいながら婚活をするのは、交際相手にも婚活相手にも不誠実だといえる。
つき合っている人がいるのに他に結婚相手を探す理由を尋ねると、E美さんはこう答えた。
「彼は私のことを本気で好きではないからです。おそらく私の体目当てなんだと思います」
「あんたはブサイクなんだから」
カウンセリングを重ねるなかで、E美さんが根深い「容姿コンプレックス」を抱えていることがわかった。その根底には、子どもの頃の体験がある。E美さんは、小学生の頃に同級生の男子からいじめを受けていたのだ。ご本人いわく「色黒で大柄」だったというE美さんは、容姿のことをからかわれてきたという。
容姿にコンプレックスを持つきっかけになったのは、同級生からのいじめだけではない。E美さんは事あるごとに母親から「あんたはブサイクなんだから、せめて勉強だけでもがんばりなさい」と言われて育ったそうだ。
私から見たE美さんは、笑顔がかわいらしく、魅力にあふれた女性。母親の言葉は、きっと本心からではないだろう。ときどきわが子のことを自分のことのように謙遜してしまう親がいるが、E美さんの母親も、勉強ができる娘に対して、そうだったのかもしれない。10年前に亡くなってしまったそうなので、その真意を確かめることはできないけれど。
E美さんは、母親の言いつけ通り勉強に打ち込んだ。その結果、中学受験で中高一貫の女子校に合格し、大学受験では東京大学へと進んだ。大学では理系を専攻して現在は研究職に就いている。
とても立派な経歴で、自信に溢れていてもおかしくないのだが、子どもの頃に母親にかけられた心無い言葉に、E美さんはいつまでも囚われていた。