「近づいてくるのは既婚者くらい」

容姿コンプレックスと並んで、E美さんの婚活を阻むマインドがある。

それが、「男性に対する恨みや見下し」だ。E美さんは、小学校時代に同級生の男子に「気持ち悪い」と容姿をからかわれ、いじめを受けたことを今も許していない。

恋愛経験はあるが、E美さんいわく「私に近づいてくるのは既婚者くらい」だそうで、これまでにつき合った相手は2人とも既婚者だった。初めは離婚をちらつかせて近づいてきたのに、結局妻と別れる気配はないまま、ズルズルと関係を続けてしまったことをE見さんは後悔しているという。

婚活沼に陥ってしまう人の中には、無意識のうちに男性を恨んだり見下したりしている人が少なくない。その原因は、父親や元カレ、子どもの頃の体験など身近な男性との関わり方にあることが多い。

E美さんもその典型だ。E美さんの発言の端々には、男性に対する「恨み」や「見下し」の気持ちがうかがえる。たとえば、「男は敵」「私を大事にしてくれる男性なんていない」「どんな男も、どうせ浮気をする」というような言葉だ。「体目当て」という発言もそのひとつだ。

結婚への意思を「はぐらかされた」ら…

今交際している彼とは、1年ほど前に婚活アプリで出会ったという。彼は独身だが、お互いに仕事が忙しいので会えるのは月に1、2回。夕食を食べてホテルへ行くのがお決まりのコースで、休日に会うことはほとんどない。E美さんが、彼が自分とつき合っているのは「体目当て」だと思い込んでいるのはそのせいだった。

つき合い始めの頃に「結婚のことはどう考えているの」と聞いてみたことがあるという。「今は仕事が忙しくて無理だけれど、そのうちに考えたいと思っている」と彼は言ったそうだ。その返答に、E見さんは「はぐらかされた」と感じた。男性心理に立ってみると「急に言われても……。まだ付き合って日が浅いし、今は結婚を真剣に考えるのは先送りにしたい」という状態であったことが想像できる。

E美さんが過去につらい思いをしたことは事実だろう。けれど、現在はどうだろうか。今の彼は「体目当て」でE見さんとつき合っているなどとは言っていない。現段階での結婚への意向を正直に話したことを「はぐらかした」と決めつけているのは、E美さん自身だ。

もし、E美さんが「結婚したい」と強く思っているならば、「私は結婚したいから、あと1年待つつもりはない。でも、私はあなたと結婚できたらうれしい」と自分の気持ちを伝えることをすすめる。あとは、彼に考えてもらえばいい。

そもそもE美さんは彼のことがそんなに好きなのかと質問してみると、どうも「自分は一人ではなく、相手がいる」という状態こそが大事なように感じた。これでは、相手が煮え切らないのも当然だろう。