入院のことを彼に伝えると…
E美さんはこれまで、「自分はブサイクだ」「私には既婚者しか近づいてこない」「私とつき合っている人は体目当てだ」などと、E美さん自身に対して、あまりにも失礼な言葉をかけ続けてきた。
「婚活をするよりも、自分にひどい言葉をかけてきたことを自分自身に謝罪してください」と私はE美さんに伝えた。「その上で、『私には幸せになる価値がある』と自分に言い聞かせてください。「幸せになる」といっても、E美さんにとって何が『幸せな状態』なのかは本人にしかわかりません。今のE美さんに必要なのは、婚活よりも自分と対話することです」と。
そんな話をした直後に、E美さんは入院することになった。子宮ガン検診で初期のガンが見つかり、切除手術を受けることになったのだ。
知らせるつもりはなかったが、海外出張中の彼から「帰ったら会おう」と連絡があったので、初期のガンが見つかったことを伝えたという。すると、帰国したその足でお見舞いに来てくれたそうだ。
普段はお互いにマメに連絡をするわけではないし、会うのも1カ月に1、2回程度。そんな彼が、入院したと聞いてすぐに駆けつけてくれた。
「彼は、私が思っていたよりも私のことを大切に思ってくれているのかもしれない」E美さんはそう感じ、彼への思いにも変化が生まれたという。

婚活の「スタート視点」とは
病院のベッドで、E美さんはこれまでのことを思い出した。
「ブサイクだから勉強をがんばるしかない」「こんな私に幸せな結婚ができるわけがない」そんな風に思い続けてきた自分自身に、初めて心からの「ごめんね」と言うことができたそうだ。
退院後、久しぶりに会ったE美さんはどこかスッキリした表情をしていた。入院中に「本当はどうしたい?」「私の幸せって何?」と何度も自問したのだという。そして、「やっぱり私は結婚して安心できる家庭を築きたい。人生のパートナーとして、彼と向き合ってみよう」という結論に達したという。
E美さんは、「私は結婚したいと思ってる」と素直な気持ちを彼に伝えた。そして、二人は今ゆっくりと関係を築いている。
婚活を始める前に知っておくべきことは、誰かに自分のことを幸せにしてもらうためにするのではないということ。自分で自分の価値を認め、「自分が本当に欲しいもの」を知ることこそが婚活のスタートだ。
1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げない女が選ばれる』(フォレスト出版)。