「恋愛の神様」柴門ふみさんによるバブル娘の実録もいよいよ最終回。いつの世も恋愛は人のすがたを赤裸々に映し出す。バブル結婚、夜逃げ離婚そして歳の差恋愛を経て行き着いた婚活も、決め手はやはりコレありきだった――。

顔だけのオトコを選んだのがすべての間違い

バブル期に青春を謳歌し、女子大卒業後イケメン資産家と人もうらやむ結婚生活をスタートさせたバブ子さん。

一人娘を名門私立小に入学させ、自身も事業を起こすなどまさに順風満帆の人生。と思いきや、「貯金」が趣味の夫に節約生活を強いられ、その圧に耐え切れなくなった彼女は、彼が免許不携帯で警察に連行されている間に夜逃げを決行。拘留こうりゅうを解かれ自宅に戻った夫は空っぽになった家で離婚届を目にすることに。

イラスト
イラスト=柴門ふみ

「顔だけの男と結婚したのが、すべての間違いだったわ」

痛い学習をしたバブ子さんでしたが、さてモトより楽しいことが大好きなバブル娘です。離婚後ほどなくして、かねて好意を抱いていた年上シニアの男性との恋愛を開始します。バブ子さん40歳。お相手は10年前に妻と死別した65歳でした。

「彼、見た目オジイサンでしたが、でも行為は立派なものでした」

そりゃあ若い彼女が出来たら、薬でも何でも力を借りて張り切ることでしょう。

お金は男女交際における重要なポイント

幅広く事業を展開する彼は、元々は仕事を立ち上げたバブ子さんの相談相手でした。

事業の知識はもちろん、教養もあり、世間に知られた公的役職にもついていました。社会的成功者なのです。何よりカネ払いの良さが魅力でした。

元夫に節約を無理強いされたことで、「お金」に敏感になったバブ子さん。男女交際においても、お金は大事なポイントなのです。

「顔は元ダンナに比べれば、ただのおジイちゃんでしたよ」

しかし、一流レストランで食事を楽しみ、旅行は高級ホテルを取ってくれる彼との交際は楽しいものでした。一人娘はフランスに留学していて、彼女はバブル期の青春を取り戻した気分でした。

ところが、付き合って2年もしたころ、彼が事業を息子に譲って隠居生活に入ったのです。

すると当然、収入は無くなります。退職金と年金がいくらばかりかあったものの、それまでの贅沢な暮らしを続けていれば、あっという間にお金は無くなります。