最近は、60代の婚活者が増えているという。アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんは「婚活に、過去や年齢は関係ない。60歳を過ぎてから婚活しても無理なのかもしれないと、自己否定な思考に陥る人は少なくないが、それでは婚活は何歳であろうが上手くいかない」という――。
シニアカップル
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「婚活沼」にハマりやすい女性の共通点

婚活沼とは  結婚すると決断しないままずるずると婚活し続け、異性との間に起こる現実に一喜一憂する状況を指す。

婚活沼にハマってしまう理由は人によってさまざまだが、根本的な原因は「その人のマインド」が大きい。「こんな歳だから」「私なんかを選んでくれる人はいない」などという否定的な言葉を、無意識のうちに自分で自分に浴びせてしまっている人が意外と多いのだ。

理想通りの相手と結婚するために必要なマインドセットとは? 今回は、マインドを自ら改革したことで「婚活沼」から抜け出し、マッチングアプリで出会った年下の男性と再婚をした女性のケースを紹介する。

18年かけて叶った前夫との離婚

N江さんは、現在67歳。笑顔が印象的なチャーミングな女性だ。N江さんがマッチングアプリに登録したのは59歳のとき。その前の年、58歳のころに、23歳で結婚した夫との離婚がようやく成立した。相手は、勤めていた会社の上司に紹介された人だった。

N江さんは2人の子供に恵まれ、専業主婦として家庭を支えてきた。夫は今でいうモラハラ気質で、N江さんが意に沿わない言動をすると、あからさまに不機嫌になった。

友人との食事会はおろか、子供のPTAの会合ですら、夜に家を空けるといやな顔をする。N江さんは何度も話し合いをしようとしたが夫は取り合わず、最後は怒鳴られて終わるという繰り返し。気がついたときには、N江さんは夫と会話をすることすら諦めてしまっていた。

N江さんが初めて夫に「離婚したい」と告げたのは、40歳のとき。

「このまま愛のない相手と暮らして一生を終えるのはいや。私は一生、女でいたい」と強烈に思ったのだという。夫は離婚には応じなかった。「片親では子供たちの就職にも結婚にも支障がある」という、世間体を重んじる夫らしい理由だった。