確かに、偏差値70以上がものすごく優秀だというのは、高校や大学受験を経験した人なら肌感覚で理解できるだろう。では、実際どれくらいすごいのか。
大学入試センター試験のような多数の人が受けるテストの得点分布は、正規分布に近くなる。正規分布とは、左右対称の山のような形になっている分布のこと。偏差値は正規分布を前提にしており、偏差値50がちょうど真ん中(山の頂点)になる。そして、偏差値60以上の人は全体の約16%、偏差値40以下も全体の約16%で、つまり偏差値40~60の間にほとんどの人(約70%)が収まることになる。
ちなみに、偏差値80以上は全体の0.1%、75以上で同0.6%、70で同2%、65以上で同7%だ。そして偏差値55以上は上位31%になるが、これをまずまずと見るか、まだまだだと考えて発奮するかはあなた次第だ。
翻って、テストで100点を取ったと喜んでいるわが子を、はたして手放しでほめていいものなのか。平均値は95点かもしれないわけで、そこから求めた偏差値で客観的なポジションを示し、努力を促すことが大切かもしれない。また、偏差値が時系列でどう推移しているのかを見ることで、成長度合いがわかりやすくなるということもあるだろう。
よく企業の平均給与や平均賞与額が報道されるが、自分の給与や賞与と比べてみると、社内でのポジションがおおよそつかめるはずである。あなたも、1度調べてみたらどうか。
さんきゅう倉田
芸人・元国税局職員
大学卒業後、東京国税局に入局。法人税の調査を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに入る。お笑い芸人として、税務調査やガサ入れのネタなどでメディアやライブに出演。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』がある。
芸人・元国税局職員
大学卒業後、東京国税局に入局。法人税の調査を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに入る。お笑い芸人として、税務調査やガサ入れのネタなどでメディアやライブに出演。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』がある。
(構成=田之上 信 写真=iStock.com)