地方自治体の公務員は、どのくらいの給与をもらっているのか。プレジデントオンラインでは、昨年に引き続き、国の調査をもとに「地方公務員年収ランキング」を作成した。第1回の「市区町村別トップ500」(http://president.jp/articles/-/25531)、第2回の「ワースト500」(http://president.jp/articles/-/25640)に続き、第3回は「都道府県ランキング」をお届けする――。(第3回、全3回)

「トップは東京、ワーストは沖縄」は不変

プレジデントオンラインでは、今回、総務省が発表した2017年(平成29年)の「地方公務員給与実態調査」に基づいて、自治体ごとの平均年収を推計した。対象は「一般行政職」で、諸手当(寒冷地手当を除く)を含む平均給与月額に、期末手当と勤勉手当を加えて算出した。なお、一般行政職とは、教育職や警官といった専門職ではない、いわゆる役所で勤務する公務員を指す言葉だ。

第3回は、都道府県(47自治体)のランキングをお届けする。年収トップは東京都の709.9万円、年収ワーストは沖縄県の575.2万円だった。過去のデータを同様に調査したところ、「東京トップ、沖縄ワースト」という状況は少なくとも5年間は変わっていない。

「若い職員が増えて平均給与が下がった」

だが、その中身には変化が起きている。トップだった東京都は前回より年収が減り、ワーストだった沖縄県は前回より年収が増えているのだ。

前回、東京都の推計年収は716.5万円だったが、今回は709.9万円で、6.6万円も減っている。なぜ減ったのか。東京都は「今、新規採用で年齢の若い職員を増やしている。その結果、給与の低い職員の人数が増え、全体の平均が下がったと考えられる」(東京都総務局)と説明している。

沖縄県は、平均年齢は変わっていないが、570.7万円から575.2万円に4.5万円増えている。沖縄県は、「2017年度の人事院勧告により、地方公務員の給与の引き上げがあったことと、勤勉手当が0.1月分引き上げられたことの影響だと考えられる」(沖縄県総務部人事課)と説明している。

なお、ランキングの右端には「ラスパイレス指数」を記した。これは国家公務員を100とした場合の、各自治体の給与水準を示すものだ。2012年以前は全国市区町村の平均値が100を上回り、地方が国より高い状態が続いていたが、東日本大震災の復興財源を目的に国からの給与削減要請があったことから、年々低下。2017年は16年より0.5ポイント高い98.6ポイントとなった。