どの会社も顧客のニーズを掘り起こし、顧客の期待に応えようと躍起になっている。にもかかわらず、空回りしているところが少なくない。組織全体が顧客のほうを向いて行動するために、最低限必要なこととは。

多くの企業幹部やマネジャーが、顧客をあらゆる行動の中心に据えるよう部下に説いている。だが、彼らの言葉に込められた強い情熱や確信にもかかわらず、彼らの組織の中では、真の顧客重視(カスタマーフォーカス)は実践ではなく理論に留まっている。

「企業は内向きになりがちで、ともすると顧客が経験していることではなく自分たち自身の活動に注目してしまう」と、コロンビア大学の経営学准教授で、『市場破壊戦略――競争ルールを激変させる40の戦術』の共著者、リタ・ギュンター・マグレイスは言う。「当人たちは顧客に目を向けているつもりなのだが、本当はそうしていない」。