海運業界は昨年半ばまで約5年続きの好況に沸いていた。そのなかで最大手の商船三井は、ブラジルから中国への鉄鉱石輸送など、日本発着にこだわらない、資源国と新興国を直接結ぶ「第三国間輸送」に主力を置き、芦田昭充社長のもと収益と規模の拡大を実現し続けてきた。

<strong>商船三井 芦田昭充社長</strong>●サンフランシスコ駐在、欧州・大洋州部長などを経て、2003年副社長。04年より現職。「合併のときは、自分の弱点を認識し、かつ、相手のいいところを認めたうえで、相手の悪い部分を指摘し、そこを是正するだけの分析力と実行力がないとダメなんです」
商船三井 元社長
芦田昭充

サンフランシスコ駐在、欧州・大洋州部長などを経て、2003年副社長。04年社長。12年6月より会長。「合併のときは、自分の弱点を認識し、かつ、相手のいいところを認めたうえで、相手の悪い部分を指摘し、そこを是正するだけの分析力と実行力がないとダメなんです」
――現在の経済状況は御社の業績や経営にどのような影響を与えていますか?

昨秋以降の世界経済の急速な悪化によって、海上の荷動きは鈍っています。原油の需要は低下し、鉄鉱石も、ある時期パタッと動きが止まりました。