個人や家庭マーケットをターゲットとする太陽生命、中小企業マーケットをターゲットとする大同生命、そして変額個人年金など銀行等窓販事業に特化するT&Dフィナンシャル生命。この毛色の違う、テリトリーの異なる3つの保険会社を傘下に持つ保険持ち株会社のT&Dホールディングス。その発足当初から陣頭指揮してきたのが宮戸直輝社長。「三本の矢」の教えもあるが、3つのカラーはより強い色彩を放つことができたのか。

――100年に一度の危機は、保険事業にはどのような影響がありますか。

確実に影響は出てきているのですが、一番困るのがどのあたりが景気の底だかわからないことです。中小企業との取引が多い大同生命の業績はこれまでずっと景気に左右されてきました。たとえば、2007年度の業績が一番よかったのですが、それがピークを打つと徐々に業績が下がってくる。数年経つと、景気が戻り、黒字企業が増え、中小企業も元気になってきて、企業業績も戻り始めるという景気循環型のサイクルがあるのですが、今回はそうした経験がまったく当てになりません。