2025年3月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。ビジネス部門の第4位は――。
▼第1位 フジテレビの「スポンサー離れ」よりずっと深刻…通販番組を1日10時間たれ流す"民放BS"の悲惨すぎる現状
▼第2位 「メイドインジャパンの敗北」を繰り返している…「売れる車がないのにプライドは高い」日産に残された最終手段
▼第3位 2000円→1.8万円に値上げしたら大繁盛…外国人観光客に"お金を落とさせる"福岡の藍染工房の絶妙なアイデア
▼第4位 豊田章男会長はこの"難問"をどう解くのか…「日産を救えるのはトヨタしかいない」の声が日増しに高まるワケ
▼第5位 「フードコートは安くて便利だけど満足度は低い」の常識を壊した…大阪に爆誕した日本初上陸の「飲食街」の斬新
「内田社長退任」が再交渉の条件か
足元で、ホンダと日産の経営統合をめぐる事態はさまざまな方向に発展しそうな雲行きだ。一部の報道では、ホンダは日産の内田誠社長が退任すれば交渉を再開する意向という。また、別のメディアでは、2月下旬、日産の買収を狙っている台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)は、ホンダ、三菱自動車を含む4社での協業を提案したと報じられた。
さらに、政府関係者が米テスラによる日産出資計画を策定との報道も出ている。政府関係者が動いたところに、ホンダと日産の経営統合交渉の重要性が見てとれる。日産の苦境が深刻化し海外企業に買収された場合、わが国の自動車産業の空洞化や雇用に懸念が出ることも考えられる。それは、日本経済全体にとって大きなリスクになるはずだ。
「純利益98.4%減」日産の厳しい決算
これまで政府は、そうしたリスクにそれなりに準備してきたともいえる。準備の一つは、2024年に経済産業省が公表した「モビリティDX戦略」だ。同戦略は、わが国の自動車産業のさらなる成長にむけて、ソフトウェア分野での企業連携を重視する方針を示している。その方針は、今後の自動車のソフト化をにらんで、有力企業の協力体制を強化することを狙った動きだ。
足許、電動化、車載ソフトウェア開発競争の激化により、米・欧・中でも自動車業界の再編観測は高まっている。今度の展開次第で、トヨタ陣営にホンダと日産が接近する可能性もあるかもしれない。ホンダと日産の統合協議は、世界的な自動車産業の再編の動きの一つと考えられる。これから色々なことが起きるはずだ。
経営統合協議が破談になった2月13日、ホンダと日産両社は2024年4~12月期の決算を発表した。ホンダは二輪車の販売台数を上方修正したが、主に中国事業の悪化で四輪車は下方修正した。
日産の業況は一段と厳しい。純利益は前年同期比98.4%減だった。通期の純利益は800億円の赤字に下方修正した。日産は追加リストラ策を公表し、2026年度までに固定費で3000億円以上、変動費で1000億円を削減するとしている。