経済危機下では定番を強化する

<strong>キリンビール 三宅占二社長</strong>●1948年、東京都生まれ。70年慶應義塾大学経済学部卒業。同年麒麟麦酒に入社。以来、営業畑一筋に進む。93年ハイネケンジャパン副社長。2002年取締役。06年国内酒類カンパニー社長。07年より現職。今年3月から持ち株会社の副社長に就任予定。
キリンビール 三宅占二社長
1948年、東京都生まれ。70年慶應義塾大学経済学部卒業。同年麒麟麦酒に入社。以来、営業畑一筋に進む。93年ハイネケンジャパン副社長。2002年取締役。06年国内酒類カンパニー社長。07年より現職。今年3月から持ち株会社の副社長に就任予定。

ビール類の需要減少が止まらない。2008年のビール系飲料総市場は前年比2.7%減の4億8268万ケースと1992年以降の最低の水準にまで落ち込んだ。足元の09年1月の数字も、昨年2月以降の値上げを控えた駆け込み需要の反動があるとはいえ、前年同月比18.6%の減少と大幅の下落となっている。

若者のアルコール離れに加えて、消費者の生活防衛意識の高まりがビール系飲料の不振に拍車をかけている状況だ。

そんな状況にあって、持ち株会社制に移行したキリングループのなかでも中核を担うキリンビールは、主戦場であるビール市場でライバルのアサヒビールと近年激しいシェア争いを演じる。直近の3期ではその差がすべて1%以内というぎりぎりのつばぜり合いだ。

顧客のニーズを掘り進める商品開発、飲用時価値を追求し、顧客目線の「買い場」づくりに励むマーケティングを推し進める同社が求める人材像とは。

――世界的な経済の低迷はキリンビールにどのような影響を与えていますか。

どの業界もそうですが、将来の見通しが非常に立てにくくなっています。ただ、我々はお客様の暮らしに密着した商品をつくっていますから、ことさら経済危機と構えるのではなく、安全・安心で美味しいものづくり、ものづくりを通じたお客様への価値提供をきちんとやっていくことが大切だと思っています。