――この不況で財布の紐が固いときに、保険のような目に見えない商品で顧客を新規に開拓するのは大変なのでは。

景気が悪いからといって保険が不要になるわけではありません。景気が悪いからこそ、中小企業の経営者を守る保険、保障は必要です。また、一般家庭では長生きに対する備えもしておきたい。家庭で毎月どれくらいの保険料を払っているのか、無駄な保険に入っていないか、放置している保険はありませんかという見直しをお客様と一緒に考える。そんな家庭のアドバイザーはこんなご時勢だからこそ絶対に必要だと思います。今後も保険の必要性をお客様に丁寧に説明していかなければなりません。

これは何も保険業界に限ったことではなく、いろんな業種にいえる。お客様とのコミュニケーションがよく取れていれば、必要最低限のニーズがあることに気づけるはずです。そこを徹底的に掘り起こしていくことが大切です。私は、新しいアイディアはまさにこういう厳しい時期だからこそ生まれてくるのだと思います。不況だから売れないといって過度に悲観することはない。職員は、こういう状況だからこそ前に進んでいこうという積極性を発揮することが一番大事です。

――月に何度か、本社のある浜松町から日本橋まで、昼食に出かけるそうですね。

蕎麦屋へ行ったり、買い物はしないけど高島屋や三越を上から下まで歩いたりして、時間を過ごすことがあります。サボっているわけではありません(笑)。ただ好奇心というのか、おいしい蕎麦を食べられてよかったとか、三越でおもしろい人を見かけたとか、決められた時間通りパソコンの前にずっと座って仕事しているのとは、違う発想が湧いてくるはずです。仕事でもプライベートでも、ちょっとした遊び心がある人や心に余裕のある生活を送れる人のほうが、いい仕事ができるのではないでしょうか。 

(飯田 守=文 中野和志=撮影)