相手の心を開くのが上手な人は、何が違うのか。一級建築士の高原美由紀さんは「良好な関係を築きたいなら、内装や座席に注目してほしい。たとえば、部下との面談やお客との商談では、座る場所によって結果が変わるだろう」という――。(第2回)

※本稿は、高原美由紀『できる人は25分で「場所」を変える』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

穏やかな雰囲気の中でコーヒーを淹れて飲む若い女性
写真=iStock.com/maruco
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カフェには「自然に話が弾む工夫」がある

人間関係でとくに大切になるのが、「相手が構えずに話せるかどうか」です。

人は、不安や緊張の中では、本音も悩みも、弱さも出しません。逆に、心理的負荷が下がると、心の扉は自然にゆるみます。初めての相手と話す、相手に心を開いてもらい、本当の考えや悩みを聞きたい。そんなとき、どんな場所を選ぶのがよいでしょうか?

その空気を体感しやすいのが、私たちが日常的に使っているカフェです。

会議室よりもカフェのほうが、自然に話が弾んだ経験はありませんか。カフェは、“心をほぐし、自然体で話せる状態”に導いてくれるからです。多くのカフェには、いくつかの共通した特徴があります。

・自然光が入り、空間が開けている
・適度な人の気配があり、自分だけが注目されている感覚が薄れる
・コーヒーの香りやざわめきが、警戒心をやわらげる
・対面ではなく、斜めや横並びの位置関係が取りやすい

これらはすべて、心の緊張をやわらげる要素です。脳は、構える必要がないと判断し、「本音を言いやすい」と感じます。だから、オフィスで話すよりも、話す内容も、声のトーンも、表情もやわらかくなります。緊張がない場では、相手は“守り”から“素”の状態に切り替わります。

「本音を引き出す要素」を1つ加えてみる

そのため、会議室では出てこなかった話がしやすくなります。気持ちがほぐれることで、話はどんどん深まり、相手が本当に考えていること、その“奥行き”にまで届くようになります。

たとえば、

・子どもがリビングでは話さないのに、車やカフェでは本音を話す
・パートナーがキッチンでは素っ気ないのに、外を歩きながらだと話してくれる

こうした違いが生まれるのは、その場が「心を開きやすい状態」かどうかの差です。

本音を聞きたいときは、まずは、話しやすい環境の要素を1つ加えてみましょう。

・昼間なら自然光の入る明るい席、夜なら、明るすぎない落ち着いた席を選ぶ
・少しざわめきがある、半個室のような囲まれ感のある場所に移動する
・相手を真正面から見つめず、視線を少し外し、“圧のない距離”をつくる
・窓の外の景色や絵、キャンドルなど、視線の逃げ場になるものを用意する

こうした安心の要素が、心を開くスイッチになります。本音を引き出したいとき、あなたの周りにどんな「場」がありますか。