若手にしろ、ベテランにしろ、どの職場にも「問題児」はいるだろう。どう向き合えばいいのか。「プレジデント」(2018年3月5日号)では、9つの場面について、具体的な対処法を識者に聞いた。第7回は「すぐに怒って相手を攻撃」について――。

50代部下でも、褒められたがっている

精神的に成熟した人は、他人からの評価に関わりなく自らの価値を確信していて、腹立たしいことがあっても穏やかに対処することができます。一方、未成熟な人は、常に他者から自分の存在価値を認めてもらっていないと自分に価値があると感じられなくなり、自信をなくして攻撃的になります。とりわけうつ状態ではキレやすくなります。うつとは自分に価値が感じられない状態で、すぐにキレるのは、うつの初期症状でもあるのです。

同じうつでも、従来型のうつでは自分を責める傾向が強いのですが、最近は原因を他者に求め、「自分は悪くない」と考える「新型うつ」もよく見られます。そういう人は「私が実力を発揮できないのは、理解してくれない上司のせい」といった考え方をするので、上司に対しても反抗的になり、キレてトラブルを起こしたあげく、そのまま会社に出てこなくなったりします。

キレる人というのは、実は怯えています。「おまえには価値がない」と決めつけられたと思って、自信を失っているからです。傍からはどう見てもキレた側が加害者であっても、本人は「自分は被害者だ」と思い込んでいます。精神は不安定でも頭はいいという人も多く、直属の上司を飛び越して一段上の上司に訴えたり、訴訟を起こしたりします。